抗レジオネラ用空調水処理剤協議会

継続的な殺菌処理

1.多機能型薬剤

多機能型薬剤は総合水処理剤あるいは複合水処理剤などと呼ばれ、 スケール防止剤、腐食防止剤、スライムコントロール剤とレジオネラ属菌の殺菌剤(又は抑制剤)を含有するものです。(スライムコントロール剤と殺菌剤、抑制剤が同一薬剤の場合もある)。
多機能型薬剤は薬注装置を使用し、連続的に注入して、その効果を発揮します。

(1)タイプ分け
殺菌型薬剤:その薬剤自体が菌数を減少させるタイプ
抑制型薬剤:化学洗浄などにより一旦菌数を低下させてから使用し、菌数増加を抑制するタイプ
(2)薬剤の注入方法
1)冷却塔の化学洗浄を行ったのち、冷却塔水槽に多機能型薬剤を初期投入します。
2)冷却塔の運転開始時、 薬液注入ポンプを稼動させ、 薬剤を連続的に所定の場所に注入します。
3)薬剤の注入量は補給水量比例方式あるいは冷却塔運転時タイマー制御方式により、冷却水中の薬剤維持濃度が適正濃度になるように調整します。
4)冷却塔の運転期間中、 薬剤濃度を分析し薬剤維持濃度を調整します。
5)なお、 初期投入濃度及び維持濃度は薬剤の種類により異なりますので、個別の水処理計画に基づいて実施してください。

2.単一機能型薬剤

単一機能型薬剤とは、スライムコントロール・レジオネラ属菌の殺菌機能を有するタイプを示します。この場合、 腐食防止・スケール防止機能を有する薬剤を別途注入します。 このため、 2液型薬剤とも呼ばれています。
以下にはレジオネラ属菌への殺菌剤を記載します。(単一機能型薬剤には抑制タイプは使用しないでください )

(1)レジオネラ属菌の殺菌剤例
1)酸化剤
冷却水中に2 ~ 5mg/Lの残留塩素濃度を維持すれば、 レジオネラ属菌に対する殺菌効果が得られます。しかし、 鉄、銅などの金属に腐食性が強いので、実際は、 腐食防止剤を併用し0.5mg/L程度の残留塩素濃度で使用されることが多くあります。
このタイプには固形品もあります。
2)各種有機系殺菌剤
冷却水系に使用される殺菌剤の多くは有機化合物であり、その組成、作用有効濃度は様々です。

レジオネラ属菌に対する代表的な殺菌剤(抗レジオネラ用空調水処理剤協議会 登録薬剤原料名一覧)

成分
アメトリン
オルソフタルアルデヒド
過酸化水素
5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン
次亜塩素酸ナトリウム
3-(3,4ジクロロフェニル)-1,1ジメチルウレア
1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン
2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド
2,2-ジブロモー2-ニトロー1-エタノール
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム
ジンクピリチオン
炭酸ナトリウム・過酸化水素化物
2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾール
N-デシル-N-イソノニル-N,N-ジメチルアンモニウムクロライド
テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムサルフェート
ヒドラジン一水和物
2-ピリジルチオ-1-オキシドナトリウム
プロメトリン
1-ブロモ-3-クロロ-5,5-ジメチルヒダントイン
2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン
ベンゾイソチアゾロン
1,5-ペンタンジアール(グルタルアルデヒド)
ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンクロライド]
ポリヘキサメチレングアニジンリン酸塩
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン
2,2’-メチレンビス(4-クロロフェノール)
メチレンビスチオシアネート
モノクロロスルファミン酸ナトリウム
抗レジオネラ用空調水処理剤協議会 2008 年12 月まとめ

レジオネラ属菌に対する代表的な殺菌剤とその有効濃度

化合物名
有効濃度(mg/L)×作用時間
グルタルアルデヒド7.5mg/L×6時間、15mg/L×3.4時間
2-ブロモ 2-ニトロプロパン1,3-ジオール7.5mg/L×28時間、15mg/L×21時間
イソチアゾロン化合物(10%溶液)7.5mg/L×22時間、15mg/L×18時間
塩素0.5mg/L×0.6分
過酸化水素10000mg/L×2.5分

参考文献:縣邦雄、石間智生、三山義輝、青木哲也、田中俊光、藤垣妙子、遠藤卓郎:レジオネラ属菌に対する有機系殺菌剤の殺菌性能.ビルと環境92,84-88,2001 注記:表中、有効濃度×殺菌時間は、実験室における試験管内試験でpH7.0 の条件において、レジオネラ属菌数を99.9%殺菌するのに要する値です。

(2)薬剤ごとの添加方法
1)酸化剤
塩素は酸化力が強いので、 高濃度の衝撃添加方法は冷凍機の熱交換器材質(銅、SUS材)又は、配管材質(鉄、SUS材)を傷めやすいため低濃度の連続添加方法をお願いします。
2)有機系殺菌剤
連続注入により、 殺菌剤の有効成分を常に残留させることも有効であるが、ランニングコストの関係上、衝撃添加方法が望ましく投入間隔はレジオネラ属菌数を減少させた後に、 菌数が立ち上がるまでの期間の殺菌効果持続期間が目安となり、季節にもよりますが一般的には2~7日です。

3.パック剤

スケール防止剤、 腐食防止剤、 スライムコントロール剤 と レジオネラ属菌の殺菌剤を含有する錠剤等の固形剤をプラスチック等の容器に入れた形態のものをいい、 冷却塔の下部水槽、 または散水板に固定して使用します。冷却水中に薬剤が徐々に溶け出す加工がされていて、 効果は1~3ヵ月間持続します。

Copyright(C) 1995-2013 抗レジオネラ用空調水処理剤協議会