抗レジオネラ用空調水処理剤協議会

抗レジオネラ空調水処理剤を効果的にご使用戴くために

抗レジオネラ空調水処理剤協議会登録品を(以下、抗レジオネラ薬剤)を使用しても約12%(2008年調査)の冷却水系でレジオネラ属菌が検出されています。これは、様々な要因によってレジオネラ属菌の抑制に必要な有効成分が保持されないことによるもので、抗レジオネラ薬剤を効果的に御使用戴くためのポイントを記載します。※具体的対策については協議会会員各社にご相談ください。

1.当初から薬剤添加量や濃度が不足する場合

1) 薬注装置の維持管理不良
(原因)抗レジオネラ薬剤を薬注装置で添加している場合、薬注ポンプのエアーロック、薬剤の補充忘れ、他の故障により薬注されない、あるいは薬注ポンプ吐出量の過少設定の結果、計画濃度が冷却水系に保持されていない場合があります。
(対策)日常管理で薬注ポンプの稼動・吐出量、薬液タンク残液の点検を行い、処理計画通りの量が添加されていることを確認してください。
2)冷却水系保有水量の過少見積もり
(原因)抗レジオネラ薬剤を間欠添加する場合、保有水量が過少に想定されていれば、添加量(濃度)不足を招きます。
(対策)冷却水系全体の正確な保有水量を確認し、保有水量に対して適切量を算出して添加してください。
3)停止系統の問題
(原因)抗レジオネラ薬剤を添加しても循環ポンプが稼動していない系には行き渡らず、レジオネラ属菌が検出される場合があります。
(対策)このような冷却水系の場合は、定期的に全ての循環ポンプを稼動して、全体に有効成分を行き渡らせてください。

2.抗レジオネラ薬剤の有効成分濃度が低下する要因が存在する場合

1)スライムによる系内汚染がある
(原因)抗レジオネラ薬剤は、冷却水系内にスライム汚染が存在する場合、有効成分がスライムにより消耗され、有効濃度不足によりレジオネラ属菌の抑制が不十分となる場合があります。
(対策)スライム汚染状況を確認し、冷却塔や冷却水水管の清掃または添加量を標準推奨量よりも増やすなどの対策が必要です。又、スライム汚染が著しい場合には、化学洗浄も有効な方法です。
2)補給水水質や周辺環境の影響がある場合
(原因)補給水水質や周辺環境の影響により冷却水中へのアンモニアの混入、高COD(化学的酸素要求量)条件や窒素、リンなど微生物栄養源が高濃度とな る場合は、スライム汚染の要因となるばかりでなく、抗レジオネラ薬剤の有効成分によっては有効性の低下や消耗が激しくなる要因となります。
(対策)これらの状況に対応した抗レジオネラ薬剤の有効成分の選定または添加濃度の見直しや水質管理値の再設定が必要となります。なお、周辺環境の見直が必要な場合もあります。
3)冷却水系統内での滞留時間が長い時に、分解・消耗が起こる場合
(原因)抗レジオネラ薬剤を冷却水補給水量に対して比例注入している場合は、負荷の低下により補給水量が低下すると補給水に対する添加量が適正であっても冷却水循環系内に長時間滞留する条件となり、有効成分の分解・消耗を招きます。また冷却塔稼働率の低下により停止時間が長くなる場合や極度の高濃縮環境においても同様の減少が生じます。
(対策)冷却水の入れ替わりが少なく滞留時間が極端に長くなる場合は、定期的な一括添加の併用や適切なブローの実施等の対策が必要となります。

3.冷却水系内にレジオネラ属菌の棲息を保護する環境が存在する場合

1)冷却水系内にスライム、バイオフィルム(生物膜)やアメーバ類が存在する場合
(原因)冷却水系内にスライム汚染やバイオフィルムが存在すると、レジオネラ属菌を含む微生物類の増殖の温床となります。またアメーバ類などの原生動物の内部にレジオネラ属菌が寄生増殖し細胞を破壊して遊出することも知られています。スライム汚染やバイオフィルムの存在は、抗レジオネラ薬剤の有効成分を消耗させます。また、バイオフィルムや原生動物内部に存在するレジオネラ属菌と抗レジオネラ薬剤の有効成分との接触を阻害することになります。
(対策)スライム汚染に応じて冷却塔や冷却水水管の清掃または添加量を標準推奨量よりも増やす、あるいは、バイオフィルム剥離効果のより高い成分の薬剤を使用してください。スライム汚染が激しい場合には化学洗浄実施後に抗レジオネラ薬剤を添加することが有効です。
2)冷却塔上部・下部水槽に堆積物が多い場合
(原因)周辺環境の影響で土砂等の粉塵・塵埃が冷却塔に吸引され、冷却水系に堆積物が多くなると、堆積物が微生物類繁殖の温床となりバイオフィルムやスライムが生成されやすくなり、9-3①によるレジオネラ属菌検出の要因となります。
(対策)冷却塔清掃を頻繁に実施する、循環ろ過装置を設置する等により、外部から吸引された堆積物を除去する処置が必要です。
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